Skeb でアイコンを描いてもらいました
blog Skeb
先日、Skeb で SNS のアイコンに使うイラストをリクエストしました。 こちらのブログにも表示されているアイコン画像です。
結論から述べると、最高のユーザー体験でしたので、経緯と実際に使ってみた感触を書き綴りたいと思います。
Skeb についての詳細は、こちらのインタビュー記事の方が分かりやすいので、まだ読んでいない方は参照してみてください。
10億円買収で話題のSkeb開発者なるがみさんに聞く、「クリエイターファースト」の開発やサービス設計の裏側と、買収の理由 | アンドエンジニア
これまでのアイコン画像について
パーツを組み合わせて好みのキャラクターを生成できる Flash で作成したものを使わせていただいてました。
当時、ゆゆづきさんが公開されていたもので、今はサイトが閉じられていますが、pixiv で公開されているイラストのページに zip ファイルへのリンクが貼られています。
#オリジナル 着せ替えキャラメイク - ゆゆづきのイラスト - pixiv
Flash Player は2020年でサポート終了となり今は動きませんが、手元で Flash を再生できる Flash Player の互換環境があれば動くかもしれません。
当時作成したキャラクターはこちらです。
元画像 (https://t.co/IqnWkZrk4n より) pic.twitter.com/8APY7h3pPB
— たけ (@ww24) May 11, 2014
とても気に入っていたので7年間ほど SNS のアイコンにしており、もはやネット上での自分の顔のような感覚です。
新しいアイコンの依頼
そろそろ新しいアイコンに変えたいなという気持ちがあり、フリーで配られているものではなく自分だけのオリジナルなアイコンが欲しいと思うようになりました。
SKIMA 等のクリエイターに依頼できるサービスを検討しましたが、ゼロベースで自分の好みに合い予算を満たすイラストレーターを探すのはかなり骨が折れます。実際、あまり条件に合う方が見つからず断念。
次に Skeb というサービスを検討しました。依頼というよりは作品というリターンのある投げ銭という印象を持ちました。 結構利用しているイラストレーターが多い印象があり、名前は知っていたのですが、サービスの詳細は今回初めて調べました。
Skeb を利用する上で、こちらのガイドラインと利用規約は必ず読んでおいた方が良いでしょう。 例えば、クライアントガイドラインには次の記載があります。
Skebでやり取りされた作品のすべての権利はクリエイターに帰属し、クライアントは原則としてプロフィール画像への使用や個人鑑賞に限って利用可能です。
クリエイターは作品をクライアントの許可なくSNSや同人誌、パトロンサービスへ自由に掲載・発表する権利を有しています。
クライアントガイドライン | Skeb
制限が多く使いにくいかなという印象を持ちましたが、今回はアイコン用のイラストを描いてもらいたく、プロフィール画像としての利用を超える用途はないため問題無さそうです。 最初の方に紹介した記事を読むことで、クリエイターファーストの考え方に共感し、なぜこのようなガイドラインになっているのか理解ができました。
Skeb はプロフィールに自身の Skeb へのリンクを掲載していると手数料が安くなる仕組みになっているようで、リンクを掲載しているイラストレーターをよく見かける気がします。 Twitter で好みのイラストレーターをリスト管理しているので、まずはその一覧から Skeb のリンクを掲載している方を探し、おまかせ金額が予算を満たす一覧を作成しました。 しかし、残念ながらその中にアイコンをリクエストしたいと思う方は見つからず諦めかけていたところ、プロフィールにリンクを掲載していないものの Skeb で募集中の方を見つけました。
その方は、少し前から絵柄が好きでフォローしていたイラストレーターさんで、この方に描いていただけるなら若干予算を超えても構わないと、思い切ってリクエストを送ってみることにしました。
イラストレーターさんの迷惑になってはいけないのでここには明記しませんが、フォロワーが20万人を超えていて商業誌に連載もしているといった所謂神絵師と呼ばれるような方で、個人依頼は基本的に受け付けていません。Skeb でリクエストを募集していて本当に良かったと思いました。
Skeb でのリクエストから納品まで
初めてリクエストする場合、相場が分かりません。 Skeb ではクリエイターが最低金額とおまかせ金額を設定できるようなので、参考になります。
他の人のリクエストは、金額と日時以外の リクエスト本文 や 納品された作品のサンプル が基本的に誰でも見れるので、初めてのリクエストをする場合でも困りません。 これまでどのような作品が納品されたか確認することで、作品のクオリティや得意なジャンルが分かり参考になります。
クリエイター毎にリクエストの承認期限、納期が設定されています。リクエストを送る前に確認しておくと良いです。 また、納期に関してはクライントは一切関与できないので、気長に待つ心構えが必要です。
リクエストは金額と本文を入力し、いくつかの設定項目を選択し、支払情報を入力して送信するだけです。 入力項目が少なく、確認画面も何もなく1ページで完結するので、気軽にリクエストができます。 気軽に送ってしまって良いものなのか少し悩みましたが、深夜テンションでポチりました。
リクエストは昼過ぎには承認されていて、ひとまず良かった…!と安堵しました。 納期はリクエストから30日後に設定されており、平均納品日数が20日とのことで、一旦忘れて気長に待つことに。
待っている間は忘れようと思っても忘れられず、期待に胸を膨らませつつ、どこかで不安な気持ちもありました。 打ち合わせもリテイクもないので、リクエストを送信して承認されたら最後、納品されるまで待つことしかできません。 納品する作品のクオリティはクリエイター次第なので、納品されてからのお楽しみ。不便なようで、ある意味このサービスの良いところなのかなと思います。
すると、まさかの翌日の夜に納品。 メールの通知で気付き、速すぎる仕事にただただ驚きました。
恐る恐る Skeb のサイトを開いて確認してみると、そこには「にゃっ」と鳴きながらポーズを取っているモフモフとした猫耳の生えた女の子が! 鈴付きの首輪、パーカー、プリーツスカート、猫耳の生えた女の子という指定と、これまでアイコンにしていたイラストの元画像を参考資料として添付しただけという結構雑なリクエストを送ってしまったので、どんな作品が納品されるか正直なところドキドキではあったのですが、期待を大幅に上回る可愛さとクオリティに圧倒されました。
かわいいの創造主か! 女の子を可愛く表現する才能の化身か!!
イラストレーターさんの絵柄の良さがふんだんに生かされていて、衣装のパーカーやプリーツスカートのデザインも可愛くアレンジされています。 躍動感のある構図やポーズ、髪の毛や服の動きから今にも動き出しそうな、そんな活き活きした可愛さが伝わってくるイラストです。
今考えてみると、リクエスト金額は破格でした。 カラーの全身イラストで、衣装のデザインもしてもらい、更には背景は単色ではなくデザインもあって、吹き出しで鳴き声まで付いています。 アイコンに使うということを事前に伝えていたからか、ご厚意で差分も多めに付けてくれました。
こんな時、Skeb にはブーストという、お礼のメッセージを添えて後から金額を上乗せできる機能があります。 僅かな金額と拙いメッセージではありますが、感謝の気持ちを込めてブーストしました。
レイヤーの統合された PSD ファイルでの納品で、差分毎にファイルが分かれており、合計4つ納品されていました。 その中に透過背景の差分があったので、常時デスクトップにマスコット的に表示させて愛でています。
PNG画像を透過ウィンドウに描画してデスクトップの最前面に表示できるようにした。これで、このスクリーンショットの様に常にキャラクターを画面上に配置して愛でられるな。 pic.twitter.com/pgEo6aMYwG
— たけ (@ww24) May 28, 2021
Skeb を利用してみて
Skeb (2018-) は ココナラ (2012-) SKIMA (2015-) といったサービスと異なり、クリエイターファーストを打ち出すことで明確に差別化しています。
そのポリシーに共感するユーザーが多いためか、会員数を急増させています。
イラストコミッションサービス「Skeb」の総登録者数が100万人、総取引高が18億円を突破!リクエスト手数料無料キャンペーンのお知らせ|株式会社スケブのプレスリリース
もちろん、クリエイターファーストに傾倒していることによって、クライアントとしては期待を下回る作品が納品されることもありますし、それは利用規約上も問題ないことになっています。言葉が悪いですが、これがクリエイターガチャと言われる所以だと思います。 逆に言えば、打ち合わせやリテイクが無いことで、私のケースのようにクライアントの期待を上回る作品が納品される可能性もあると言えます。
クリエイターは打ち合わせやリテイクといった煩わしい作業に邪魔されず、思うままに作品を制作する事に集中できます。その結果、普通なら個人が依頼できないようなイラストレーターさんに安価な金額でリクエストを送れるといったケースも見られます。
Skeb ではクリエイターを応援したい、推したいという気持ちが重要なように感じます。クオリティの保証やリテイクなどこちらの思い通りに依頼したいのであれば、ココナラや SKIMA、もしくは直接依頼といった選択肢があります。Skeb は既存のサービスとうまく棲み分けられているように感じました。
例えばイラストを描いてもらいたいケースでは、個人的な意見ではありますが、次のように使い分けると良いのではないかと思います。
はっきりとした完成イメージがあり設定が複雑。納期が重要。誰に描いてもらうかよりもコストの方が重要。どれか1つでも当てはまるのであれば Skeb 以外のサービスが向いていると思います。
逆に、完成イメージはぼんやりとしていておまかせしたい、もしくは設定がシンプルで簡単に説明できる。納期は重要ではなく、気長に待てる。コストよりも誰に描いてもらうかの方が重要。クリエイターを応援したい気持ちがある。すべてに当てはまるのであれば Skeb が向いていると思います。
これからも、機会があれば Skeb でクリエイターを応援していきたいと思います。
エンジニアとしては、Skeb のようなニッチだけれども需要が高い価値あるサービスを一から開発してしまうというのは、憧れるところです。
追記
あまりに可愛いので、追加でリクエストしました。
イラストは こちら に掲載しています。